その ガソリン代の上昇は…。

 今月になって、暫定税率の復活や元有りの値上げ、そして再値上げなど多くありますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 だめ狼が最近給油したとき、レギュラー税込155円/Lでした。どうも一部の筋で、今年中に300円/Lが想定に入ったという話があるようです。暖かくなって燃費も42Km/Lなのですが、もうちょっと良くなって欲しいかも(原付50cc、2スト)。
 正直なところ、ソコまであがるのかはよくわかりませんが、ガソリンや原油を運ぶのも、エネルギー使っていますからね・・・。
 さて、いま元売りが卸屋小売りに出荷している原油(またはガソリン等)は「いつ買った物か?」に興味があります。
 現在のガソリンの価格は輸入したときの調達コストとそれに付帯するコスト(金利等を含めて)を含めて計算されます。故に本邦において、5月ドバイ原油価格が、5月小売価格(揮発油等)に反映されているわけではありません。
 で、4月28日の新日本石油の決算概要を見ると、増益です(汗)。石油精製・販売の増益の解説は・・・

-経常利益増(+1,067億円)のポイント-
●原油代上昇に伴い在庫影響が大幅に増加
●コスト削減・効率化による経費減
●自家使用燃料代の悪化等により石油・石化マージンは悪化
●税制改正影響による償却費増
(by 新日本石油 決算概要,p4,2008.4.28)

 がんばっているようです、いろいろと。元売りはその構造上、原油価格が上がってもその影響はある程度でとどまると考えます。2008年度は減少予想ですが、九州石油統合のせいかどうかはここでは言及しません。
 元売りの利益を確保できる方法が、コストの川下転嫁です。ニュースに出ているとおり、コストを卸値に含めていますから、多少あがっても価格転嫁で影響は甚大と言うことにはなりにくいわけです。次に、在庫の評価損益の方法です。元売りで採用されている方法では「総平均法による原価法」が一般的かもしれません。ちなみに東燃ゼネラルにおいては、「後入先出法(LIFO)基づく低価法」を在庫評価方式として採用しています。この評価方式によって、利益が変わります。これを考えると、原油高とガソリンの卸価格、小売価格をもっとも現実の値に近く反映できているのは東燃ゼネラルだと思います。
 過去に何度かガソリン・原油について取り上げたことがあります。この「ガソリン。」の時も新日石を取り上げました。そのときにケースとして次のようなことを書いています。

そこで、石油1バレルが1ドル(ドルエン120円と仮定)上昇すると、1リットル当たり0.754円の上昇となります。また、1ドル当たり1円円安(0.8%上昇)になった場合、1リットル当たり0.044円の上昇となるでしょう。
by ガソリン。

 これの両方がすごい勢いで起こったわけですから、まぁ、末端価格の一つである揮発油があがっても不思議ではありません。で、この輸送・精製コスト、そして輸送コストもエネルギーを消費して上昇するわけです。当然ながら、この輸送・精製コスト等もガソリン等の揮発油を使っている点においては暫定税率が掛かっていることになります。
 もうね、雪だるま式(笑)。
 ここで「あれ?」と思いませんでした? 単純な話ではありませんが、まぁ、算数と外国為替の勉強だと思って計算してみましょう。
ex1)1バレル=100ドル、1ドル=120円の時の購入価格

$100*120=12,000円

ex2)1バレル=120ドル、1ドル=100円の時の購入価格

$120*100=12,000円

 ・・・。これが円高のメリットの一つでしょうか(笑)。

[参考記事]
FujiSankei Business i. 総合/【値段のビジネス考】「原油価格」って?中東ドバイ産が基準
ガソリンの先物価格と店頭価格
過去最高価格を突破した原油価格と待ったなしの5月値上げ
石油会社について -OKWave