ガソリン。

 よく知っているようで知らない、原油。黒いどろどろとしている液状の物質で、独特のにおいを持っています。
 その原油価格は、本邦の経済に密接に関与していると共に世界経済の根幹を握るものとなっています。原油は、ガソリンを初めとした揮発油の原料と共に石油化学製品の原料でもあり、アスファルトの原料でもあるという何とも便利な液体です。
 そもそも単位「バレルってなんだよ?」とか、いろいろと疑問があったりするわけです。単位1バレル(石油用bbl)はリッター換算で、158.987296 リットルになります。石油用のバレルは42米液量ガロン。これは、シェリー樽が50米液量ガロンであり、これに入れて取引されていたものが、船舶輸送などで揮発・液漏れなどで42米液量ガロンに目減りしていたことに由来するようです(ウィスキーの場合、目減り分は「天使の分け前」というのですが、石油の場合はなんでしょうね?)。
 本邦の場合、原油の大半(ほぼ全量といっても良いくらい)は輸入に頼っています。私が子どものコロには、原油の枯渇は33年とか言われていましたが、それから10年以上経った今でも原油の枯渇は30年以上といわれていたりします(笑)。これは、省エネ技術を始め、エネルギー効率の向上や代替エネルギー開発といった努力のたまものといっても良いでしょう。
2006年度決算説明会資料1 さて、本邦原油元売の新日本石油(5001)の2006年度決算説明会資料(2007.4.26)が公開されています。ここで、新日本石油に見る石油製品の動向を考えてみましょう。まず、そのうちの一枚を参考として提示します。これは石油情報センターのなどの情報を元に新日本石油がまとめたものですが、推移がよくわかります。これは税抜き価格で提示され、リテール価格にはこれにガソリン税(揮発油税及び地方道路税。国税/間接税/目的税)53.8円(特別措置法適用税率・・つまり本則の2倍になっています)と消費税(国税および地方税の計5%)が加算された金額となります。
 そこで、石油1バレルが1ドル(ドルエン120円と仮定)上昇すると、1リットル当たり0.754円の上昇となります。また、1ドル当たり1円円安(0.8%上昇)になった場合、1リットル当たり0.044円の上昇となるでしょう。ただ、これは取引価格を想定しているので、CIFを加算した場合はより上昇幅が大きくなるのは自明のことですね。元売で、これだけ上昇した場合、そのまま小売りに転嫁されるワケでなく、マーケット等によりプラスからマイナスの転嫁幅となり複雑になります。
 現在、ガソリン代が上昇している原因としては原油取引価格の高止まりの要因より円安要因の比重が高くなっていることと言われています。
2006年度決算説明会資料 次の資料をみてみましょう。石油需要の減少と、あります。決算短信によると「記録的な暖冬および燃料転換の進展などの影響を受けて石油製品の販売数量が減少」と説明があります。確かに今年は暖かかったですし、新車販売数も増加していますが、これも低燃費車(国による低燃費基準と税制優遇)が普及したことによりガソリンの消費が家計レベルで低下したこともあるでしょう。原油価格の上昇による公共交通手段の利用なども原因として考えられます。
 それとは反して、アジア圏を見ると発展途上国の急成長によるアジア需要と、資源獲得競争によるコストの増加がかいま見れます。
 エネルギー資源の大半を輸入に頼っている本邦が省エネでかつ自給率の高い代替燃料の開発を実現しなければならないのは明白だろう。トウモロコシに頼っても、今度は飼料を初めとした先物市場での混乱と、実際の作付けについての政治的影響などもあり、混乱している。
 科学立国日本は自国のエネルギー事情を反映した科学的なアプローチにより、国際的な基本技術の掌握と、覇権を狙うべきだろう。
なんとかなるお(^ω^)。外為ランキング