自分で決めている?決めさせられている?

 現場で使われている点では「決断力」というものはあまり無縁かも知れません。しかし、リーダクラス以上、まして経営者となれば「決断」することが仕事だったりします。
 何を持って決断するかは個々の成長の背景や、現場の状況など多くに由来します。

 決断力を高めるもっとも簡単に方法は「決断すること」です。そして、「決断すること」を支えているのが「考える力」「物事を見極める力」「正しいことを選ぶ力」です。
 考える力はまさに「思考能力」です。「物事を見極める力」は「洞察力」、「正しいことを選ぶ力」は「倫理観」と云えるでしょう。
 ここをご覧の方は株式や外国為替取引などをされている方が多いでしょう。決断する局面は多分にあると思います。ここで、デジタル的に「ある」か「ない」かだけで判断するのか、アナログのように連続的な変化、量子論的なもつれや中間的な状況をもって判断するかでは全然違ってくるでしょう。
 昨今の現代教育に於いて、教育する側もされる側も効率性を考慮することか多くなってきました。例えばシステム監査の試験では午前はマークシートによる4択問題ですし、午後Iは記述された状況から、監査人としての力を問題で、回答は字数制限の記述式です。午後IIはシー設問に対し自己の経験に基づいた小論文(2400文字以上)です。採点する方は、選択問題の方が楽です。決まっていますから。だからマークシートで機械的に処理が出来ます。しかし、記述問題は人の手によって人の頭で正否は判断されます。これはまさに、効率化による処理がコスト削減になる例です。
 それで話を元に戻します。例えば、4択問題。回答を自分で決めていると思いますか? 「回答者」を中心に見ると決めているように見えますが、出題者からみると「回答を選ばせている」、つまり「決めさせられている」と云えるわけです。この4択問題を初めとした選択問題によって、思考能力は格段に衰えてきています。
 こんな話を何故持ち出してきたかというと、法政大学の桐村教授の話を生で聴くことがありました。その際に仰っていたことを要約すると

 与えられた情報で決めているということは、自分で決めていない。

ということです。何事にも「なるほど」と思うだめ狼は、例に漏れず「なるほど」と思ったのでした。アンケートで「その他(なにか書いてね)」という項目があったら滅多に書きません(汗)。面倒なので・・・。まさに「考えていない」パターンなのですよ、これが。
 思考能力、洞察力、倫理観と3つのキーを先に挙げましたが、どれ一つとっても一朝一夕で何とかなる物ではありません。日々の努力なのです。

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(by PLANEY ALLIANCE NETWORK)