DoCoMo 2.0…2in1の与えるインパクト。

 ドコモが904シリーズ発表に伴い、DoCoMo 2.0に含まれる、2in1が明らかになりました。
 このサービスをスムーズに提供するために、どれだけ大変なのかはここをご覧の皆さんには周知のことでしょう。
 その「サービスをスムーズに提供する仕組み」ではなく「サービス」が与える影響の方が重要だと思います。
 本来この手のサービスは、KDDIやソフトバンク系が先に手を出しそうなものです。
 なぜか?
 FMCがあるからです。もっともFMCに遠い位置にあるDoCoMoが先行したのは、MNPの影響もあるでしょうし、他社サービスへの牽制なども含まれるのでないかと想像します。

FMC:Fixed Mobile Convergence
有線通信・移動体通信を組み合わせた電気通信サービスを言う。狭義には、有線通信・移動体通信の双方の電気通信サービスを、同一の端末で利用者に提供する物を言い、広義には、電気通信事業者の提供サービス形態として有線通信・移動体通信の双方が密接に連関している物まで含めて言う。
(by Fixed Mobile Convergence – Wikipedia)

 落ち着いて考えましょう。「一台の端末に2つの番号を持てる」と考えると、ケータイの番号を使い分けられて便利・・・単なるナンバープラス程度の影響しかありません。しかしながら、ネットワークサービスやオペレーション、端末に至るまで統合した2in1は新しいユースケースを生み出すことになります。単純なのはダブルホルダーやマルチホルダーなどの複数の携帯電話を保有する層に与えるもの。もう一つはそのような予備層に与える影響。次に、MNPの潜在的需要の喚起。
 それだけではないということが考えられます。FMCにおいては固定・携帯問わずに番号を持ち運べる・・・という世界になってきます。つまり、携帯に固定電話の番号を持たせて着信・・・ということが出来ることになります。でも、固定の番号と携帯の番号をどちらか一つにする・・・ということになるのかは別の話です。携帯番号は携帯番号、うちの番号はうちの番号・・・と分けて考えることが当面の主流でしょう。とくに本邦内では固定電話を持っていないと契約手続きすらスムーズに出来ないことすら多々あります。
 もし、2in1が出来るプラットフォームでFMCが出来たら?
 「固定電話を引かなくても、固定番号を持つことが出来るようになる、しかも携帯で受けることが出来るる」シーンが可能になるのです。このキラーアプリとして2in1は可能性を秘めています。DoCoMoの底力と言いますが、NTTグループとしての底力になる、それが2in1のポテンシャルだと考えています。
 DoCoMo 2.0の中で、「直感ゲーム」、「うた・ホーダイ」、「ビデオクリップ」というものもあるが、潜在的な可能性を考えると圧倒的に「2in1」がDoCoMoだけでなくNTTグループとしての威力を持つものだと考えます。実際にサービスが発表された段階ですし、まだ特許調査をしていませんが、これらがビジネスモデル特許として出願されていた場合、そしてそれが認められた場合の影響はかなりのものでしょう。