その G7の前に…。

 米国経済の動向には世界が注目しつつも、アジア圏の動向についても同様に注視されている昨今、皆さんはどうお過ごしでしょうか。

 いいのか悪いのか、G7があり、どういう声明が発表されるのか、どういう議題がなされるのかといろいろと思惑があり、また、その内容自体にも各国の思惑が絡んでいるので、楽しいような不安なような気がしてありません。
 さて、以前の見通しで95円と書いて、予想以上に早く到達したわけですが、実は現在もその見通しを持っています。超短期見通しだとレンジを形成したりと戻りがあったりとしていますが、一定の期間を見た場合は、米国景気後退感が依然としてあり、それが払拭されるためには相当のエネルギーが必要となると思っています。
 サブプライムモーゲージローン問題で、米国大手金融機関は多大な損失を計上していますし、今後発表するであろう決算発表で計上が見込めるところもあります。そして、現在抵当とされた住宅などの売買や、消費者クレジット残の問題もあり、消費や雇用に関する問題を依然として含んでいます。
 また、国内においてもようやく、大手機関の年次決算発表が行われます。この間、時価評価損が計上されてくるので、国内の景気についても一定の心配をする必要があります。国内の金融機関が利益を計上できた背景として、政策金利の低さと、貸出金利の高さ、そして預金利率の低さです。金利をもらっている(こっちは政策倫理を無視して決定する金利)ばっかりで、利子をあんまり払わない(これは政策金利ベース利率計算)ので、必死の企業努力をしなくても利益が上がる仕組みがありました。それはさておいても、その利益を吹き飛ばすだけの評価損もあり得ますし、ディーリング部門ではドル売りによって莫大な利益を出しているところもありますので、一概にどっちとはいえない状況でしょう。これらについては、今後の短信などを含めて注視していく必要があると考えます。
 で、米国景気後退感と本邦国内の状況を見ると、現状では円を買うメリットを見つけられませんし、ドルを買うにもなれない状況です。そして、FOMCでは利下げが見込まれるところから、ドル円の上値はきわめて重くなってきます。
 こういう背景において、現状見通しで95円を維持しています。ただ、95円を一気に下抜けた場合のシナリオです。一部でいわれていますが、おおよそ90円であろうとみれます。成り行きで93円台はあると思いますが、一日で95-2というパターンは想像しづらく思いますし、するためのエネルギーが見つけにくいですね。
 という見通しでだめ狼はポジションメイクをしています。