ダイムラー・クライスラー、クライスラーを米投資会社へ売却

 三角合併を説明するときは必ずといって引き合いに出されるのが、「独自動車ダイムラー・ベンツ、米クライスラーの買収(1998)」ですが、それもとうとう終焉を迎えることになったようです。これで、ビックスリー解体となってしまいます? ダイムラー・クライスラーの北米クライスラー部門米投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントに55億ユーロ(約9000億円)で売却です。新会社は持ち株会社を設立、サーベラスの子会社が80.1%、ダイムラーが19.9%出資するそうで。
 同業でありながら、スケールメリットやシナジーが得られなかったことも要因であろうとも思いますが、時代の要求と流れについては、トヨタとホンダが一歩先を言っているわけで、日系自動車会社の躍進も背景としてあるでしょう。
 そうなった理由というのは、自業自得というか・・・2000年以降発生している中東危機と、原油価格・エネルギー価格上昇といったものです。これらは中東危機だけでなく発展途上国、BRICsといった躍進も理由としてあげられるでしょう。そして、本邦輸出系にとって好機である円安ドル高。
 こういったトコから、電気自動車・燃費・安全性、そして効率化を図っていた日本自動車メーカが強みを打ち出せたという事でしょうか。
 ともあれ個人的に、自動車メーカの再建についてはうといのですが、サーベラス・キャピタル・マネジメントがどのような手腕を発揮できるのか(どこと組ませるのか)が気になります。
 自動車といっても、製品サイクルが異様に短いのは日本だけらしいですし・・・。製品開発や改善についても一朝一夕で出来るわけでもなく、パテントの問題も含めて取り組んでいくのが常です。今後の動向にも注目ですね。