その 自治体や企業の緊急雇用は…。

[記事]Business Media 誠:「派遣切り」雇用したいのに……実態は”肩すかし”
 自治体や企業が解雇された派遣労働者等を対象に雇い入れ(期限付きを含む)を実施しているケースが多くなっています。自治体の場合は、外部発注による雇用対策だったりしますが、直接雇用する場合もあります。
 さて、今回の一連の騒動で、一定の効果が出ているところとそうでないところに分かれてきています。
 現状、雇い止めが進んでいるのは特に工場の期間工が中心です。で、募集がかかっているのは居酒屋やタクシー、介護、農業といった、いわば全然違う職種です。場合によっては資格が要求される上に、異業種となればコンバージョンも進まないのは容易に理解できると思います。しかも、今までの収入より下がるとなれば尚のことです。
 ここで、雇用保険というものが絡んできます。雇用主都合のため、雇用保険は待機期間なく支給されます。通常は前職の4.5割から6.5割程度、90-330日程度支給されますから、当面これでしのいでその間に職を探そうとするのは道理です。今回のことで、元工場派遣労働者は懲りているはずです。より安定した正社員志向となっているのではないでしょうか。もともと、派遣やコンサルトいった分野は特殊能力をもって支援する上級能力者が担うべき分野であり、財界の圧力で簡易作業に広げた政府にも問題ですし、経済界にも一定の責任というものを自覚していただきたいものです。だからといって、単に雇っていればいいとは言いません。そんなことをしていたら、倒産して全社員が巻き添えを食らうでしょう。ただ、たんに解雇をすすめていくと消費が落ち込み、回復するのに時間がかかり、景気悪化のネガティブスパイラルとなり、企業業績を悪化させているのも事実です。
 とりあえず、実際に求職応募のピークとなるのは、解雇から90日後、120日後、180日後、330日後といった雇用保険の支給期限当たりだろうと見当が付きます。これらを見据えた上で、求人対応や、緊急雇用施策も必要となってくるのも自明なことです。今までもあったことですが、求人と求職のミスマッチが多くあるのは、あからさまにお互い向いている方向が違うからです。
 今回の雇い止め以外にも、雇用情勢は悪化している向きがありますから、それらに対する対応が新たな施策として活用されるべきと考えます。
 本来は通常の景気向上の一貫で解消されるのが理想ですが、残念ながらそうも言っていられない状況もあります。今後問題になってくるのは、倒産による失業と、正社員の解雇と続くでしょう。地方産業に於いては、倒れるかどうかが問題になるかも知れませんが、大手になると正社員の調整に進んでいきます。みんな貯金しないで使えば良いんですけど・・・そうもいかないんでしょうね。定額給付金なんて下手なコトしないで、地域振興券方式にしてどうしても使わないといけないようにした方がまだ良いのではと思ってしまいます。自治体で業務量が増えて困るのなら臨時職員を採用することで雇用対策の一環にもなると思いますし。どうっすか?(笑)
 それでもだめ狼は、暗黒の木曜日よりもずっとましな状況だと思っていますが・・・。