[高速道路機構]ほぼ全線で黒字

 ちょっと気になる話題がありましたのであえて取り上げてみます。それは・・・
高速道路機構:ほぼ全線で黒字 05年10月~06年3月-話題:MSN毎日インタラクティブ
 高速道路は赤字だし・・・という話題を聞いたことがありますが、実際問題はどのようになっているのでしょうか。
 この高速道路機構とは正式名称「独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構」といい、平成17年10月1日に設立されたもので日本国内の高速道路・自動車専用道路等の施設を保有し、建設債務の返済を行うことを目的としています。記憶に新しいと思いますが、2005年10月01日に、日本道路公団から各資産負債を継承し、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構及び6つの高速道路株式会社の設立されました。平たく言うと高速道路機構はインフラ会社で、そのインフラを各高速道路会社に貸し付け、債務の返済を担っています。約40兆円に上る有利子債務と、今後発生する新規道路建設に伴う債務の返済を今後45年かけて行い解散するのが真の目的といったところです。
 こう見ると、凄いわけで・・・。老朽化に伴う設備改修や建設基準法改正や耐震基準を満たすための工事などもあるでしょうに・・・。因みに「本四高速のサイトには200年以上使用するために・・・」とあり、関空よりも長きにわたっての使用を前提とした活動が行われているのだろうと予想に難くありません。
 機構のページには枠組みの概要と、関係法は次の通りに記載されています。
■ 道路関係四公団民営化の枠組みの概要

  • 約40兆円に上る有利子債務を確実に返済
  • 真に必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民負担で建設
  • 民間ノウハウ発揮により、多様で弾力的な料金設定や多様なサービスを提供

■ 道路関係四公団民営化関係4法

  • 高速道路株式会社法
  • 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法
  • 日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律
  • 日本道路公団等民営化関係法施行法

 さて、関連高速道路6会社の17年度決算を見てみることにしましょう。資料は各会社の決算公告・株主総会資料より集めてきました。
東日本高速道路株式会社

営業収益は4,369億53百万円、営業利益は151億
87百万円、経常利益は154億78百万円、当期純利益は61億38百万円
高速道路事業営業利益13,732百万円。

本州四国連絡高速道路株式会社

本州四国連絡高速道路株式会社の決算(平成17営業年度)
高速道路事業と関連事業を合わせた全事業営業利益は、2,161百万円となり、これから営業外損益15百万円を加えた経常利益は、2,177百万円となりました。さらに、不用となった宿舎等の除却により計上した特別損失75百万円、法人税等1,134百万円を控除した当期純利益は967百万円となりました。
高速道路事業営業利益2,092百万円

西日本高速道路株式会社

当期における業績につきましては、営業収益は 499,334百万円、営業利益は 20,595百万円、当期純利益は 9,675百万円となりました。
高速道路事業営業利益18,302百万円

中日本高速道路株式会社

営業損益の部では、営業利益は227億円となりました。これは、全国的な景気の回復を背景に、料金収入が堅調に推移したことと道路管理費用の減少などがあいまって、「暫定協定」で取り決めた道路資産賃借料を上回ったことが主な要因です。
営業外損益の部では、営業外収益13億円、営業外費用は5億円、当期の経常利益は235億円となりました。
これに、特別損益を加算し、税引前当期純利益は237億円、所要の法人税などを差し引いた当期純利益は119億円となり、民営化に伴う税効果6億円を調整した後の当期未処分利益は125億円となりました。
高速道路事業営業利益19,900百万円(199億円)

首都高速道路株式会社

当期において、当社は、高速道路事業および関連事業の両事業を通じ、税引前当期純利益52億円、当期純利益29億円計上しました。(高速道路事業の営業利益59億円)
高速道路事業営業利益5,900百万円

阪神高速道路株式会社

当期の営業収益は 105,019 百万円、営業利益は 4,654 百万円、経常利益は4,655百万円、当期純利益は1,179百万円となり、高速道路株式会社法第10条に基づく「平成17 営業年度事業計画」を上回る結果となりました。
高速道路事業営業利益4,617百万円

 これを見る限り、高速道路機構および高速道路会社6社の決算はすべて単年度黒字と見て取れます。しかも、億単位w。いろいろとコスト削減の努力をされてのことですし、災害対応や降雪等に伴う減収分もありますがこの決算・・・しかも、半年です。
 下手な株式投資するよりも、よほど割が良さそうですが、株主は国土交通大臣・財務大臣ですので・・・。経常利益は、経常収益8,307億円から経常費用7,882億円を差し引いた424億円だそうです。
8/4開示の平成17年度路線別営業収支(試算値)によると、赤字区間は一般国道233号(深川・留萌自動車道(深川沼田道路))(深川留萌自動車)▲1,000万 高速自動車国道中部横断自動車道(中部横断自動車道)の▲5,000万のみとなっています。毎日新聞の記事によると「中部は開通率が20%程度しかなく、深川留萌は積雪が多く交通量が少ない下半期のみの収支だったこと」が赤字の理由だそうです。
 機構の発表資料を読み進めていくと、平成17 年度の資金調達(調達資金1 兆2810 億円)に占める超長期資金(10 年超の資金)の割合は約25%となっているそうです。まぁ、日本経済の流れからすると金利上昇は既定路線となっているので、ゼロ金利の時に一気に・・・と言うことでしょうか。40兆の債務を消し込んでいく上で、金利上昇リスクは並々ならぬ恐怖かもしれません。金利が安いために、利益は出るでしょうし、債務償還も進みやすくなり、また利用者還元(ETCマイレージサービス)が進められるわけですが、0.25%上昇してしまうと、調達資金1兆円となれば2億5千万円の利息が発生してしまいます。変動金利で調達なんかした日には死亡確定ですか・・・。
なんとかなるお(^ω^)。外為ランキング


[PR]ノーローンならなんどでも1週間無利息