若干の期待をもって買ったが、全くの「はずれ」だった。問題は2つある。肝心の活断層地図(1枚もので、110cm×80cmほど。表に全図、裏に主要な箇所の拡大図が7つほど)だが、全国で100ほどのかなり明瞭な活断層しか記載されておらず、2000以上ある「推定活断層」は全く記載されていない。例えば東京都では立川断層帯の線が1本引かれているだけ。
裏面にある小さな全国の断層帯図(現在では「断層帯」と認められないものや、連続した1つの断層とされるものも含め98の断層帯が名称と共に描かれている)を表面全部に拡大すれば済むのであって無意味だし、一般の方に「私の住んでいるところには活断層がないから安全」と、とんでもない誤解を与える可能性さえあると思う。
第二に、付属の「解説書」があまりにひどい。30ページほどのもので、しかもその半分以上はどこにでもある一般向けの「地震災害を防ぐ」案内書。前半の解説も僕のような素人でも「地震に関する基礎知識のない人」が適当に書き上げたものと解る程度のお粗末極まるもの。しかも読者に誤解を与えるような記述や、厳密に言えば「間違い」と言えるものだらけ。ちなみに、後半の「防災の心がけ」にも同じような「危ない」記述がある。
このページにはお二人の名前が挙げられているが(どちらも「大学教授」。僕は地震学は素人なのでどんな方かは知らない)本書では「監修者」とされている。本書の企画に当たっていくらかのアドヴァイスをされたのだろうが、僕の想像では出来たものはきちんとご覧になっていないだろう。ちょっとしたアルバイトとお思いなのだろうが安易に名義を与えることは慎まれるべきだと思う。
読者には、こんなものを買うよりはプレート境界型地震も含めた地震一般の一般向け解説書をお読みになることを強くお薦めする。